2010年08月30日

[Supplement]グループSNE,田中公侍,北沢慶『バルバロステイルズ』

[amazon]グループSNE,田中公侍,北沢慶『バルバロステイルズ』
200体以上のモンスターデータに加え、PCとしての蛮族データを掲載! さらにコロシアムルールも実装し、君のバトルスピリットはもう最高潮! ソード・ワールド2.0追加ルール待望の第二弾!
評価=★★★★(4.0/5.0)
SW2.0、サプリメント第5弾。
実質的なルールブック4だった『アルケミストワークス』ほどではないものの、ある意味ルールブック5と言える内容。ことモンスターデータに限っていえば、SW2.1と言っても過言ではない。
既存のデータを整理統合して再掲しただけといえなくもないが、参照性の低い文庫版ルルブ3冊のあっちを見たりこっちを見たりとしなくても良いのは大きい。
GMなら迷わず買いの一冊だが、エラッタが大量に出ているのが残念なところ。データ集だけに数字のミスは仕方のないところだが、毎度毎度エラッタが多すぎる。データ集だからこそ、厳重なチェック体制で校正をしてほしいものだ。

以下、雑感。

恒例のカラー口絵、今回は8ページのうち5ページに渡りモンスターイラストが描かれているが、正直、必要性を感じない。
これまでのサプリもそうだがカラー口絵をなくして、そのぶん価格を下げるとか、モノクロページを増やすとか、そういった方面で頑張って欲しいと思う。カラーでどーんとモンスターを描くくらいなら、少々小さくてもモノクロでもいいから、もっと多くのモンスターをイラスト化して欲しい。とくに他のゲームなどで馴染みのないオリジナルに近いものなどのイメージをフォローして欲しいところ。


蛮族のPCは運用が難しそう。
お気楽お手軽に街中にドレイクがいるとかのコミカルな展開を抑制しているのは嬉しいのだが、実プレイとしては制限も多く、あまり魅力を感じない。PC種族が増えた!蛮族PCも可能!と言うセールスポイントではなく、こういうこともできますよ、というオマケ程度の印象。むしろNPCとしてPCと同様のデータ表記が出来るようになった点が大きいだろうか。依頼人や協力者としてPCのレベルに即したドレイクを出せたりするのはシナリオの深みが増すと思うし、蛮族PCを違和感なく参加させるシナリオを作成するのに比べたら、その方が楽だと思う。

コボルドはともかく、ドレイクやラミアが「守りの剣」の影響下でも(フレーバー的なものを除き)何らペナルティを受けないと言う点に、非常に違和感を覚える。(影響下で穢れ持ちが修正を受けるルールは今回採用されていないのだろうか?)「守りの剣」って蛮族が本気出したら、結構役に立たないのでは?まぁ、だからこそ冒険者にお鉢が回ってくるともいえるが、剣のかけらをいくら献上しても肝心の「守りの剣」がこれでは……。

ライカンスロープは、さらって来た人族に儀式を施して生まれるとの設定になっているが、交配では増えないのかねぇ。先祖帰りでライカンスロープ化とか美味しいと思うんだけど。ライカンスロープは比較的中立な(蛮族主流とは一線を画した)立場らしいが、そんな増え方をしている連中と仲良くできる筈がないと思う。人族側としては第一に殲滅すべき対象だと思うのだが。

名誉点を消費することで名誉人族として人族社会に認められると言うのは面白い。名誉点はもっと色々な使用法(消費する方法や判定への活用)があってよいと思う。


モンスターデータの前説として、博物誌と題した小説風の文章でモンスター分類の特徴を示しているが、あまりに小説的過ぎて、ゲーム面での参考は薄い。小説としても、少々上滑り気味でワールドガイド的な部分は薄い気がする。

今回の目玉であるモンスターデータだが、色々と誤植が多いのは残念なところ。あと、これまでに発表された全てのデータが網羅されているわけではないようだ。リプレイや小説はともかく、サプリに掲載されたデータが落ちているのは理解に苦しむところ。紙面の都合なのだろうか。

ルルブ3冊を初めとしたモンスターデータの再録にとどまらず、データの整理統合が断行されており、表記法が大きく変わっている。新しい表記法に慣れるまでは大変そうだが、モンスターの運用で悩まなくてすむようになったのは大きい。

新しく追加されたモンスターはなかなかに個性的で、データを読んでいるだけでシナリオを考えたくなる。これまではほとんどいなかった魔動機術を使用する蛮族なども追加されているのも好印象。
ワイバーンは幻獣なのにヒドラは動物とか、よく解らない分類になっているが、前述の博物誌に沿った分類なのだろう。一部、ネーミングセンスを疑いたくなるものがあり、特に「デスロード」はあまりにも中学生レベルに過ぎると思う。「ノーライフキング」じゃダメだったんだろうか。

数箇所にコラムとして、ワールドガイド的な内容が散りばめられているが、中でも影響が大きいのが某2柱の神が第一の剣に連なるものではないと確定した点。これは大きい。サラッと書いているが、結構オオゴトだと思う。


シチュエーション戦闘として、6つのシチュエーションが提示されている。
PCの成長度に合わせてモンスターの配置が決定され勝利条件などが示されるという、まるっきりボードゲームライクな遊び方だが、シナリオに組み込むと意外と面白そう。シナリオ山場の戦闘ギミックとして採用したりすれば、初心者GMの負担が軽減できるかもしれない。

対して、完全に割り切ってバトルゲームとして楽しんでみるのも悪くはないと思うが、SW2.0自身がかっちりした戦闘ゲームではない(と私は思っている)ので、個人的にはイマイチな気がする。模擬戦と称してモンスターとの戦闘を楽しんでいる向きには、様々なシチュエーションで戦闘を楽しめるモジュールになるのではないだろうか。


総括的な感想としては、『バルバロステイルズ』と言う書名から、もう少し蛮族について踏み込んだワールドガイド的な記述を期待していたが、その方面では期待に応えるものではなかった。一方で、モンスターデータ集としては整理統合を進めたSW2.1とすら言えるような内容になっていると思う。今後のSW2.0は(ことモンスターデータに関しては)この本を基準にしていくと思われ、GM必携の書であることは間違いがない。技能が追加された『アルケミストワークス』と比べれば必須の度合いは落ちるものの、GMパートが掲載された実質上の「ルールブック5」であるのは間違いない。
posted by 秋芳 at 23:59| Comment(1) | TrackBack(0) | TRPG諸々(感想系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
The very next time I read a blog, Hopefully it doesn’t disappoint me just as much as this particular one. I mean, Yes, it was my choice to read through, nonetheless I actually believed you would probably have something useful to talk about. All I hear is a bunch of crying about something that you could fix if you weren’t too busy searching for attention.
Posted by increase height at 2013年07月29日 19:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。