2010年11月08日

[Novel]中村航『100回泣くこと』

[amazon]中村航『100回泣くこと』
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。四年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は、一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた―。
評価=★★★★(4.0/5.0)
今更ながら手当たり次第に読んできた中村航作品。ついに本丸とも本命とも言える本書を読了。
ストーリー展開は、いわゆるケータイ小説にありがちなものだが、決定的に違うのは描き出されている「時期」ではないだろうか。
ケータイ小説の類では、不幸な境遇・事件→恋人との幸福な時間→恋人との別れ、というようなスタイルがとられることが多く、物語のクライマックスは「別れ」にある。その「別れ」を盛り上げるために、不幸な境遇や事件が描かれ、幸福な時間が描かれる。
本作がそれらの小説と決定的に違うのは、「別れた後」を描いている点ではないだろうか。その点が悲しいだけのケータイ小説と一線を画した、別れと再生を描いた作品にしていると感じた。
posted by 秋芳 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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