2010年06月28日

[Novel]菊地秀行『幕末屍軍団』

[amazon]菊地秀行『幕末屍軍団』
時は幕末、どこから現れたか“ぞんびぃ”と呼ばれる「死なずの軍団」が江戸や京を跋扈し街を血に染める!「心の臓は動かず、熱い血潮も流れず、水も呑まず、物も食わず、ただ命に従い、敵を殺戮しまくる」幕府と薩長の雌雄を決する戦いに出現した“屍軍団”!戦場は阿鼻叫喚と化し、築かれた死体の山、山、山!最強最悪の生ける死人を操る黒幕の正体やいかに。
評価=★(1.0/5.0)
シリーズ化を目指したデビュー当時の短編に加筆修正した改訂版らしいが、中途半端に終わり満足感に乏しい。さらに加筆して完全版とかにしないと、このままでは作品の出来があまりにもツラい。
幕末にゾンビ軍団が暴れまくり、それに対する歴史上の人物達の活躍と、破天荒ながらも魅力に満ち、それ故にありがちな設定を大御所がどう料理するのか。期待が持てる作品だけに、惜しい。
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2010年06月27日

[Novel]柴田哲孝『狸汁 銀次と町子の人情艶話』

[amazon]柴田哲孝『狸汁 銀次と町子の人情艶話』
政財界の大物がお忍びで通う「味六屋」。三年ほど前に流れ板の銀次と女房の町子が、麻布十番に小さな料理屋を持った。ある日、料理の腕を見込んで馴染みの政治家から奇妙な注文が入る。接待する客は「人喰い唐玄」の名で知られる右翼の重鎮。はたして銀次はその男を満足させることができるのか…。表題の『狸汁』ほか、『初鰹』、『鯨のたれ』、『九絵尽し』、『鱧落とし』、『鮎うるか』…、読めば口に唾の溜まる極上の短編集。
評価=★★★(3.0/5.0)
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2010年06月23日

[Novel]窪依凛『エスケープ!』

[amazon]窪依凛『エスケープ!』
そこのアナタ、霊柩列車にノ・ラ・ナ・イ?自殺志願者たちが列車で繰り広げる快楽自殺!新感覚サブリミナル・ホラー。
評価=★(1.0/5.0)
輪をかけて出来の悪いラノベ並。
ご都合主義的でリアリティが薄い。やはり現代を舞台にしたホラーはリアリティが必須だと思う。リアリティの無さはイコール陳腐さにつながり、作品全体が薄っぺらくなる。
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2010年06月22日

[Novel]窪依凛『FLY』

[amazon]窪依凛『FLY』
モンスターストーカーの女に愛された男に果たして未来はあるの?愛の極限に引きずりこまれた先にあるのは、恐怖という安息日。芸能プロダクションに所属しているが、あまり売れていないタレント及川勇斗の元に毎週届けられる差出人がFLYと書かれたファンレター。そして少しずつではあるが、暴力的に容赦なく迫る恐怖。
評価=★☆(1.5/5.0)
内容は出来の悪いラノベ程度。
台詞の応酬が続くかと思えば、章末で妙に押し付けがましい盛り上げ方をしてみたりと、作者が前に出すぎている感じ。
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2010年06月18日

[Novel]朱川湊人『本日、サービスデー』

[amazon]朱川湊人『本日、サービスデー』
世界中の人間には、それぞれに一日だけ、すべての願いが叶う日がある。それが、サービスデー。神様が与えてくれた、特別な一日。本来は教えてもらえないその日を、思いがけず知ることになったら。直木賞作家の幸運を呼ぶ小説。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
5編を収録した短編集。
収録作はブラックなものからコミカルなものまでバラエティに富んでいるが、どれもややあっさり風味。
物足りなさも感じるが、さらりと読めて楽しめる短編集。
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2010年06月16日

[Novel]折原一『赤い森』

[amazon]折原一『赤い森』
一家が惨殺された樹海のなかの山荘。禍々しき森の、いまだ解明されぬ事件。血塗られた伝説に挑む者を襲う悲劇の連鎖!その森に踏みこんだ者は、二度と帰れない。
評価=★★☆(2.5/5.0)
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2010年06月14日

[Novel]篠田真由美『閉ざされて』

[amazon]篠田真由美『閉ざされて』
函館の西郊に海に臨んで建つ、白いモダニズム風邸宅、雪華荘。その閉ざされた館で孤独な生活を営む汀は、東京にいる兄の洽との手紙のやり取りが、唯一の心のよりどころだった。だが、脳梗塞で倒れ隠棲している父・博通が残そうとしている遺産をめぐり、後妻母娘とのあいだで確執が深まるなか、兄が謎の失踪を遂げた…。鮮やかな叙述で導かれる、驚愕のトリック!著者渾身の書き下ろし長編ミステリー。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
鬱々とした独白や手紙形式の文章に暗澹たる想いが募るが、すべてをすっきり解決し納得させるラストにはすっきり。
爽快感と言うよりも納得感とでも呼んだ方がしっくりくる感じだが、キレイに収めて見せるのはさすが。
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2010年06月11日

[Novel]西澤保彦『身代わり』

[amazon]西澤保彦『身代わり』
身代わりの、身代わりの、身代わりは、身代わりの、身代わりだった―!?
名作『依存』から9年。変わらぬ丁々発止の推理合戦、あの4人が長編で元気に帰ってきた!
書き下ろし長編ミステリ。
評価=★★★★(4.0/5.0)
9年ぶりのシリーズ最新作。
前作『依存』が重い話だっただけに、その後、あの4人がどうなったのかが気になるところ。(短編集では、時系列的にこれより後の話もあるわけですが)
懐かしい面々に会いミステリのロジックを楽しめる、ファン待望の一冊でした。
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2010年06月09日

[Novel]中山七里『さよならドビュッシー』

[amazon]中山七里『さよならドビュッシー』
ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
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2010年06月06日

[Novel]重松清『あすなろ三三七拍子』

[amazon]重松清『あすなろ三三七拍子』
藤巻大介45歳、あすなろ大学応援団長出向を命ず―
存続危機の応援団を「合言葉は押忍!」でオジサン達が復活させる、抱腹絶倒・落涙必至の快作長編。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
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2010年06月03日

[Novel]京極夏彦『数えずの井戸』

[amazon]京極夏彦『数えずの井戸』
数えるから、足りなくなる。それは、はかなくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。人口に膾炙し怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す人気シリーズ第三作。
評価=★★★★(4.0/5.0)
古い怪談を題材にして新解釈で物語を綴るシリーズで、『嗤う伊右衛門』、『覘き小平次』に続く3作目。モチーフはお馴染みの番町皿屋敷。
全体的に鬱々として暗い印象で、爽快感など微塵も無い。その中で鬱屈した人々を描き、古典怪談を踏まえて綺麗に収めているのは作者の筆力ならでは。
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2010年05月31日

[Novel]阿部和重『ピストルズ』

[amazon]阿部和重『ピストルズ』
「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている―」。田舎町の書店主・石川は、とあるキッカケから町の外れに住む魔術師一家と噂される人々と接触する。その名は菖蒲家。謎に包まれた一族の秘密を探るべく、石川は菖蒲四姉妹の次女・あおばにインタビューを敢行するのだが…。そこで語られ始めたのは、一族の間で千年以上も継承された秘術にまつわる、目眩めく壮大な歴史だった。史実の闇に葬り去られた神の町の盛衰とともに明かされていく一子相伝「アヤメメソッド」の正体と、一族の忌まわしき宿命。そして秘術の継承者である末娘・みずきが引き起こしてしまった取り返しのつかない過ちとは一体―?やがて物語は二〇〇五年の夏に起こった血の日曜日事件の隠された真相を暴きだしてゆく…。読むものをあらゆる未知へと誘う、分類不能の傑作巨篇。
評価=★★(2.0/5.0)
内容はともかく、とにかく冗長。
ダラダラと書き述べられる読みにくい文章を楽しむのは難しかった。
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2010年05月24日

[Novel]朱川湊人『銀河に口笛』

[amazon]朱川湊人『銀河に口笛』
僕らは親愛なる秘密結社「ウルトラマリン隊」を結成して、みんなが持ち込んでくる不思議な事件の謎に挑んでいた。そんな小学三年生の二学期の始業式の日、不思議な力を持った少年リンダが転校してきた…。虹の七色に乗せて送る、ちょっぴりほろ苦い少年たちの成長物語。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
昭和40年代くらいの少年達の思い出を懐かしむ一作。
『スタンド・バイ・ミー』的でもあり、読み手の年齢によっては、懐かしさと哀愁を存分に味わえるかもしれない。
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2010年05月21日

[Novel]京極夏彦『冥談』

[amazon]京極夏彦『冥談』
僕は、帰れるのだろうか。生と死のあわいをゆく、ほの瞑い旅路――
渡り終えるまで喋ってはいけない。なにかを聞くだけで、決して答えてはいけない。そこは、死者の声が聞こえる魔所だった……(「風の橋」)。
生と死の狭間を、細やかな筆致と巧みな構成で描き上げ、京極小説の先にある、もうひとつの「核心」に迫る短篇小説集。日常がふいに崩れてゆくさまを、静かな言葉がほの瞑い異界を映しだす。怪談専門誌『幽』の連載に書き下ろしを加えた全8篇を収録。「幽かな物語」を描いた『幽談』に連なるシリーズ第二弾。
評価=★★★☆(3.5/5.0)
短編8作を収録した怪奇短編集第2弾。
当たり外れはあるが、変化には富んでいる感じ。
おどろおどろしい表現、ここ一番の文章の綴り方はさすが。
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2010年05月15日

[Novel]両角長彦『ラガド 煉獄の教室』

[amazon]両角長彦『ラガド 煉獄の教室』
中学校で起きた無差別殺傷事件。物語が二転三転していくなかで暴かれる戦慄の真相とは…。11月4日午前8時30分。ある私立中学校に1人の男が侵入する。1人の女子生徒が、彼の行動を見て叫んだ。「みんな逃げて!」果敢に男に立ち向かう彼女を悲劇が襲う。そして事件後、警察で秘かに行われた、ある特別な「再現」。そこから、思いもよらない事実が明らかになっていく…。スピーディーな展開に目が離せない。斬新な視覚効果を図った実験的小説が誕生。第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
評価=★★★★(4.0/5.0)
見取り図を使った犯行時の状況説明、警察内部で行われた秘密の「再現」など、表現的にも舞台装置的にも力の入った作品。
反面、文章の書き口がいまひとつ巧くない感じや警察や学校組織の対応がリアリティに欠ける点など、気になる部分も多い。しかし、それらを脇に置けるだけの疾走感があり、次へ次へとページをめくらせるパワーは目を見張るものがある。
中盤の加速度は素晴らしいのだが、ミステリとしての斬新さはあまりなく、ラストも唐突な印象が否めない。最後の最後で失速してしまったように感じてしまい、実に残念。
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2010年05月14日

[Novel]梶尾真治『メモリー・ラボへようこそ』

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あなたの必要な「おもいで」をご提供します――不思議な記憶移植の研究所「メモリー・ラボ」を舞台に繰り広げられる、思いっきりスイートで、ちょっぴりビターな愛の記憶の物語。
評価=★★☆(2.5/5.0)
記憶を植えつけるというようなストーリーは、映画化もされた『トータル・リコール』のインパクトが強すぎて後続の作品はよほどの新鮮味がないと見劣りする感じ。もっとも、こちらは記憶を云々というアイデアよりもしっとりとした感情描写が本領といった感じ。
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2010年05月12日

[Novel]伊坂幸太郎『SOSの猿』

[amazon]伊坂幸太郎『SOSの猿』
ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空―救いの物語をつくるのは、彼ら。
評価=★★(2.0/5.0)
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2010年05月10日

[Novel]森福都『マローディープ 愚者たちの楽園』

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「島々の花輪」と称される美しい島・モルディブ。人気リゾートホテルの客は年の差夫婦、離婚寸前の新婚夫婦、双子の老女など他人に言えない秘密を持つ面々ばかり。四か月後、伊豆で再会した客たちはホテル従業員だった石野の撲殺事件を推理する。大学院生の彰は恋愛推理小説家の姉・渚とともに、意外な真相に突き当たるが―。
評価=★★☆(2.5/5.0)
ライトなミステリ。ミステリ要素は薄く、2時間サスペンスドラマ風。
コメディも含んだライトな感じだが、イマドキのライトミステリとは異なってキャラ立てや書き口がおとなしい。総じて地味な印象。
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2010年05月08日

[Novel]三崎亜記『コロヨシ!!』

[amazon]三崎亜記『コロヨシ!!』
20XX年、掃除は日本固有のスポーツとして連綿と続きつつも、何らかの理由により統制下に置かれていた。高校で掃除部に所属する樹は、誰もが認める才能を持ちながらも、どこか冷めた態度で淡々と掃除を続けている。しかし謎の美少女・偲の登場により、そんな彼に大きな転機が訪れ―一級世界構築士三崎亜記がおくる奇想青春小説。
評価=★★★(3.0/5.0)
近未来を舞台に掃除が日本固有のスポーツとなった世界での青春を描く。
単純に仮想スポーツモノかと思ったが、伝統と格式、謎と禁忌が絡み合った設定は予想外。しかも、「居留地」や「西域」という単語が登場する一連の世界観の中にある作品で、幻想的で神秘的な世界である反面、スポーツとしての掃除が、どうにもリアリティが薄く感じられてしまった。
続編が連載中らしいので、今後の展開に期待したいところ。
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2010年05月05日

[Novel]早瀬乱『絵伝の果て』

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古来、権力の象徴である大塔が、炎上し略奪される様を描いた一枚の絵。それは切断され散逸した絵巻の一部だった。国家への反逆とも、京の繁栄を妬むものの呪詛ともとれる、危険な絵巻を描いたのは何者か。田舎武者の坂城、河原者のナガレとともに、残る絵巻の断片探索を命ぜられた貧乏公家の嫡子・十川迪輔は、鬼と呼ばれる一族に辿り着く…。
評価=★★☆(2.5/5.0)
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